がんばらないTURBO

元不登校かつ人苦手マンなもんで、大体うらみごとと考えごとをしている。そしてブログにまとめる。音楽、お笑い、e-Sports、本、投資、うすぼんやりした美術鑑賞。

トリプルファイヤーにみる「邦楽の洋楽化」の着地

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「トリプルファイヤー」というロックバンドがいるということは知っていたが、得意の遅耳で今まで全く聴かなかった。今日なんとなく聴いたら、わりと画期的な音楽なような気がしたので感想を書いておこうと思った。

 

 僕とトリプルファイヤー

一番初めにその名前を聴いたのは、数年前のMusic Gold Rushという番組でした(調べたらまだ続いてるらしいです)。その時はサバンナ高橋と9nineの西脇彩華が司会でした。

サバンナ高橋という人は、恐らく音楽は本当に好きなんだと思うのですが、あんまり語る口がない人というか、実際バンドのメンバーを並べたときに聞いてほしいことを聞いてくれなかったりして、とても物足りないことが多かったです。それが番組の魅力になってたのかもしれませんけどもね。

(大体歌ものバンドが紹介される番組だったのもあって、司会二人の感想が毎回『声がいい』『メロディがいい』ばっかりだった)

 

時々、取り上げるバンドのスタッフによるプレゼン回があるのですが、なんだかが紹介したバンドの一つがトリプルファイヤーでした。

司会の二人は紹介された「スキルアップ」という曲を、紹介したスタッフの「何の競技について歌ってるのかわからない」という半笑いの説明を半笑いで聴き、「気持ち悪い」「面白い」「気になる」といった評価をしていた記憶があります。

なんというか、長尾謙一郎的な、花くまゆうさく的な、『吐き気がするほどサブカルチャー』を、意図した通りの消化の仕方で紹介していることにひどく嫌な気持ちになって、そっからトリプルファイヤーという文字を見ても自分から情報を入れないようにしてしまいました。

だから、「タモリ倶楽部に出た」とか「呂布カルマとラップバトルした」とか、聞くたびに『ぽいなー』と思い、更に触れる気が失せました。

念の為、ここで出た人名の方々全然嫌いじゃないですよ。むしろ好きです。

そういうプレゼンの仕方と消化の仕方が僕に合わなかったのです。あと僕の性格が腐っているのです(大体後者が原因)。

 

非常に洋楽チックなオルタナだった

今日この動画を見てはっとしたんですけど、このバンド、オルタナだったんですよ。一番始めに想起したのがピクシーズで、次にストーンズ、ブランキー・ジェット・シティ、アークティック・モンキーズ、テレビジョン、スパルタ・ローカルズとか。ベルトパンチにもこんな曲あったような。イギリスの風が強い。

僕のロック知識って数年前で止まってるんで、もっと適したバンドあったらすいません。

 

「スキルアップ」をライブ動画見た後もう一回まともに聞いたのですが、ロックの構造したループの生演奏に、語りに近いボーカルを乗せていて、4年前から今に至るまで作風は一貫してる。ボーカルの乗せ方も、リズムにカチカチな感じでないし、ソウルっぽくもない。スウィングさせる気がない。ヨレてるところは意図的なもんではないと思ってるけど、「ヨレてる部分を押すこともバンドの音楽」として聴く側に許容させることに成功してると思った。だからまあ、説得力があんのよね。

で、これって、日本のラップの元祖といわれる吉幾三「俺ら東京さ行ぐだ」から、ヒップホップ方面じゃなくロック方面で進化したやつじゃないかと思ったわけです。それは、韻シストやSANABAGUNみたいな、ヒップホップの生バンドていうんじゃなくて、ソウルを薄めてフロウも韻も重視しないロックバンド。

少なくとも言いたいことを重視して、間をリズムや言葉で埋める気はないんですね、このバンド。「ゆらゆら帝国で考え中」も思い出してたな。

 

日本語で日本人に歌を歌うことの照れ

いや、別に今までこういう音楽がまったく無かったとは思わないんです。実際思い当たるしさ。

それを聴くに耐える言葉に変える作詞者と、『これに特化して音楽を作る』ということを成功した人(それをやりたかった人)があんまりいなかったような気がした。TOKYO No.1 SOUL SETは、まあヒップホップだと思いますしねえ。田辺マモル「プレイボーイのうた」もかなり語りに近いけど、フォークだしなあ。

僕がMusic Gold Rushでトリプルファイヤーの紹介についてなんだか不快だったのは、これは「謎の競技を語る不気味な曲ギャグ、という消化で正解なのか」と思ったからです。少なくとも、自分にとっては別に面白いものではなかったし、面白さのガイドが出来上がってるようには見えなかったのよね。

まあ大体、自分が面白くないものでゲラゲラ大勢で笑ってる他人て不快なもんだしさ(性格由来)。

 

で、僕がこのバンドの歌詞に照れを感じないことが「技術であり才能なんかな」と思ったのは、ライブを見たからなんです。

このバンド、一般的ロックバンドのように、ものすごく前向きなことを歌ってるんですよ。「ジミヘンは最高だ」っていうことを歌ってたり、「俺はまだ前に進める」てことを、最強にパーソナルな語り口で歌ってる。

「スキルアップ」に関しては、全部内容のないギャグでしたギャフンなのかもしれないですけど(さっと調べたけど曲についてのインタビュー見つからず)、最後の「ありがとうございます」という締めが、結構嫌な感じ出てたんですよね。シリアスな感じ。

ただ、ライブMCは明らかに「わかってる」感じのウケ狙いしてんのよなあ。

 

このバンドの真逆を敢えて言えば、日本語の日本語臭さを最強のボーカルとサウンドと英語とバンドのルックスで打ち消している「完全感覚Dreamer」だと思いました。この曲ちなみにめちゃくちゃ好きですけども。

(歌詞冷静になって読んだら顔真っ赤になります)

 

 何が言いたいかというと、すげえ格好よかった

 音楽聞いてて「あ、こういう表現ありなんだな」ていう、自分の音楽に対する枠組みをバチコンと破壊してくれるものに出会うと聴いててよかったと思います。ということで、トリプルファイヤーとても格好いいと思いました。