がんばらないTURBO

元不登校かつ人苦手マンなもんで、大体うらみごとと考えごとをしている。そしてブログにまとめる。音楽、お笑い、e-Sports、本、投資、うすぼんやりした美術鑑賞。

面白くないドラマの感想が言えなかったというような話

 随分前に、少しだけ仲の良かった女の人(Aさん)がいて、その人と会話の中で「今こういうドラマを見ている」とフジテレビ製作のテレビドラマをおすすめされました。

 僕はとにかくテレビドラマを見ない、特に民放ゴールデンタイム系テレビドラマを見ない人間なんですけど、おすすめされたんなら見てみよう、てことで気がすすまないままとにかく放送中のドラマを最後まで見ることにしました。

 僕がドラマを見ない理由としましては、「演出が馬鹿でもわかるように過剰になりがち(という偏見)」「マーケティングの果てにストーリーが無個性になりがち(という偏見)」「どなたかによるハンサムか美人を売り出す意思がせり出しがち(という偏見)」の3本立てとなっております。実際に見たわけでもないのに不思議なもんだね。まあ、もはや「月9」みたいなブランドとか、残ってるほどドラマが元気がよいわけじゃないんでしょうね。僕が情報を入れなさすぎてるだけかもしれません。

 とにかく、その当時放送されていた、ドラマを第3話くらいから最終まで見ました。すると全然面白くなかったのです。僕がその当時思っていた上記3本立てをフルで適用した内容であったように記憶しております。

 

 大体の内容は「年上女性(カワイイ)と年下男性(ハンサム)が最悪の出会いからなんやかやで恋に落ちて結ばれる」というものです。書いてて『うるせえ』って思うな。

 まじでなんの記憶も残ってませんが、もしかしたら「酔っ払った女性の濡れた服を脱がして、朝起きたら誤解した女性が『ちょっといいやつだと思ったのに最悪!』と再誤解する」みたいなくだりもあったかもしれませんし、年下男性を慕う後輩女性と邂逅するくだりなんかがあって「私のほうがセンパイと昔から知り合いですから~」と煽られるようなくだりがあったかもしれません。

 でもまあ、そんなドラマでした。面白くなかったです(念押し)。僕のドラマに対するネガティブ幻想がそのまま具現化したような内容でした。およそ、制作陣がなにか志を持っていたとは思えず、このドラマが数年数十年経過して、語られるようなフックもあると思えませんでした。民放ゴールデンタイム系ドラマってそんなもんなんだ、と妄想を強化する結果になりました。

 実は、この記事を書くにあたって、記憶を頼りにそのドラマのタイトルをネットから探し当てることに成功しているのですが、そのドラマのファンがなにかの間違いでここにたどり着いてしまうことを避けるために、なんの情報も書かないでおこうと思いました(こういうのすげえ多い)。でも、ストーリーを読み返し、登場人物の情報をざっと読んでみると、ドラマの機能と登場人物の機能を存分に絞り、「アホに味をわからせる」という価値以外に何もないドラマのように思え、当時の僕の感想に間違いはなかったように思えます。

 

 そして僕は悩みます。Aさんに、この感想をどう伝えようかと。

 考えた末に、Aさんに「どういうところが面白かったの?」と聞いてみました。すると「(主演女優)が可愛かったから」と答えがきたので、僕はまた答えに詰まりました。ドラマの感想じゃなかったんですな。主演女優が動いていることがもう喜びであって、それ以外は別になんでもなかった。ある意味、そのドラマの味付けの一番表層の部分をしっかり味わって楽しんでいる方だったわけです。マーブルチョコの糖衣部分が、「水色でキレイなので価値がある」と。それが楽しめる人だけに向けられているものであって、僕は初めからお呼びじゃなかった。

 でも、コミュニケーションの一環としてドラマに関する感想を述べ合うってのも、まあ日常で起こりうるイベントですやん?そういうイベントが僕のこの色味のない人生で数度くらい発生したってそこまで不思議ちゃいますやん?

 ある人が、あるものを「良かった」という感想を発表することって、ある意味ではその人そのものを示していると思うんですよね。その人の好きなものが周囲に固まっていくことで、その人の人格も生活環境も浮かび上がる。僕は、そのドラマを「面白かった」ということで、そのドラマを面白いと捉える人間である、と人に伝わることが結構嫌だった。「言っとけばいいんだ」っていつも思うけど、言ったこともあるけど、結構苦痛なんです。なんだろうね、これは。どうしたらいいんだろうね。今後しばらくは交流のありそうな人だったら尚更、自分について誤解してほしくなかったわけです。

 

 とりあえず「可愛かったねえ」と嘘じゃない部分を伝えたあと、ドラマについてもう語る口がなくなって、なんの流れかで、「面白くなかった」という感想が小ゲロのように決壊したような気がする。まあ、言わなくっても伝わってたと思うけど。

 感想を言い合わないと避けられない状況の間柄であって、完全に嘘ついて「面白かった」と今後も言い続けるべきだったんかな、と手にじわっと汗がでてきた。苦しい。何が正解だったんだろうか。

 これを苦痛に感じる自分が本当に嫌な人間に思える。自分が初めから、主演女優が可愛いからドラマが面白い、と心から思える人間でさえあれば、こんな苦しみはなかっただろうに。